アウシュヴィッツ収容所でソ連兵捕虜多数死亡 新たな処置手段の使用か

 【ベルリン 9月3日】

ポーランド南部にあるアウシュヴィッツ収容所において、拘束中のソ連兵捕虜を対象に、今までに例を見ない規模の「特別措置」が実施された模様である。関係筋によると、収容所内部で毒性のある化学物質が使用され、多数の死亡者が出たという。

複数の情報によれば、使用されたのは「ツィクロンB」と呼ばれる殺虫剤で、本来は害虫駆除用に製造されたもの。気化させた成分が閉ざされた空間において高い致死性を示すことから、これが密閉施設内で意図的に使用されたとみられる。

当局はこれについて公式には沈黙を貫いているが、収容所の関係者の証言や周辺地域からの報告を照合すると、9月3日未明、数百名のソ連兵捕虜がある施設に収容され、その後数時間のうちに全員が死亡したとみられている。現場からは、警備が強化された上で、軍医や科学部隊とみられる人員が出入りする様子が確認されたという。

この処置については、通常の射殺や餓死とは異なる「新たな方法」として、より「効率的な対処」を目的としたものとの見方がある。とりわけ独ソ戦の激化に伴い、捕虜数が急増している現状を背景に、「空間と時間の節約」を志向した方策ではないかと推測されている。

現地では、一部の収容者や民間人の間に強い不安が広がっており、「次は誰が対象となるのか」との声も漏れている。また、収容所での取り扱いに関して、人道的観点からの懸念も高まっている。

一連の動きが、一時的な実験的措置なのか、あるいは今後の標準的手段となるのかは明らかでない。だが、事実とすれば、戦時下の収容政策が重大な転換点を迎えた可能性がある。

— RekisyNews 欧州戦況面 【1941年】

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