ツォルンドルフで激突 プロイセン軍、露軍を押し返すも決着つかず

 【ブランデンブルク・ツォルンドルフ平原 8月25日】

本日、七年戦争の主戦場の一つとなったツォルンドルフ周辺で、フリードリヒ大王率いるプロイセン軍がフェルモル将軍のロシア軍に攻撃を仕掛け、大規模な会戦が展開された。直前までロシア軍はオーダー川沿いのクストリンを砲撃・脅威しており、薄明の砲声を合図に両軍の砲列が唸りを上げる。砂地と湿地が交じる凹凸の草原で歩兵線がぶつかると、前後左右からの反撃で隊列は幾度も折り重なり、白兵と銃火の渦となった。

左翼ではプロイセン騎兵が急旋回で突入し、混乱しかけた歩兵正面を救う。ロシア側は縦深の隊形で踏みとどまり、野砲を小刻みに前進させて反撃。村落や藪地が火点となり、弾薬車の爆発と井戸枯れが双方の疲弊を早めた。午後、ゼイドリッツの騎兵が再度の斜行突撃で敵の側面を崩すと、露軍は秩序を保ちつつオーダー方面へ退き、プロイセンは戦場を占めたが追撃は不十分となった。

勝敗は紙一重で、いずれも損耗は甚大。戦術的にはプロイセンの辛勝、戦略的には露軍の撤収でブランデンブルクの脅威がいったん遠のいた形だが、決定的な解は出ていない。焦土と化した畑地に破れ帽と折れ銃が散り、農民は帰営の列の後ろで家財を探す。欧州の均衡はなお揺れ、次の会戦の予兆だけが荒地に残った。

— RekisyNews 国際・戦況面 【1758年】

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