【マーズ=ラ=トゥール 8月16日】
本日、フランス北東部マーズ=ラ=トゥール周辺で両国軍が激突し、激しい戦闘が一日を通して繰り広げられた。戦闘はフランス軍の西方撤退を阻止しようとするドイツ諸邦連合軍と、それを突破して退路を確保したいフランス軍との間で行われた。
戦いは午前中、ドイツ側の先遣部隊がマーズ=ラ=トゥール近郊に到達し、フランス軍の進路に立ちはだかったことから始まった。当初、数で劣るドイツ部隊は防御線を維持するのに苦しんだが、午後には増援の到着で態勢を立て直し、砲兵と騎兵による反撃を展開した。
フランス軍は数的優位を活かし包囲突破を試み、幾度もドイツ側陣地に突撃したが、地形と巧みな配置を利用した防御に阻まれた。特に午後後半の騎兵戦では、両軍の騎兵が入り乱れる白兵戦となり、多数の死傷者を出した。
日没まで戦闘は続き、最終的にフランス軍は西方への突破を果たせず、翌日に備えて後退。退路を断たれた形となり、メス方面に押し込まれる恐れが高まっている。
現地では住民が避難を急ぐ中、破壊された農地や村落が広がり、軍病院には負傷兵が次々と運び込まれている。フランス軍将校の一人は「今日の失敗は、今後の戦局を大きく不利にするかもしれない」と語り、ドイツ軍側も「増援の到着が一歩遅れれば持ちこたえられなかった」と振り返った。
この戦闘の結果、地域の戦略的主導権はドイツ側が握りつつあり、両軍の次の動きに注目が集まっている。
— RekisyNews 国際・戦況面 【1870年】