【ブレンハイム村近郊 8月13日】
ドナウ川中流のブレンハイム周辺で本日、英・オーストリアを中心とする連合軍と仏・バイエルン連合軍との間で激戦が繰り広げられ、連合軍が大勝を収めた。欧州全土を巻き込む戦役の中で、南ドイツ戦線の趨勢を決定づける一戦となった。
連合軍は英軍総司令マールバラ公爵とオーストリア軍司令プリンツ・オイゲンが共同で指揮。未明から両翼に兵を展開し、中央に強力な歩兵線を配置して仏軍の正面突破を試みた。仏・バイエルン軍はマルサン元帥とバイエルン選帝侯マクシミリアン二世エマヌエルが指揮し、村落と川辺の地形を活かして防御を固めた。
午前中、連合軍左翼はオーストリア騎兵が川沿いを押し上げ、右翼では英軍がブレンハイム村に攻めかかった。村は激しい銃撃戦と白兵戦の舞台となり、家屋が炎上する中でも両軍は一歩も引かず攻防を繰り返した。午後になると、マールバラ公は中央部の仏軍歩兵を突破、オイゲン軍が左翼を押さえ込みながら包囲の輪を縮めた。
夕刻には仏・バイエルン軍の退路が断たれ、多数が降伏。推定1万2千人が捕虜となり、将軍クラスも複数が拘束された。戦場には武具と旗が散乱し、負傷者の救護が夜を徹して行われている。
英本国から同行した将校は「今日の勝利で南ドイツの危機は去った」と述べ、ウィーン宮廷はマールバラ公とオイゲン公に祝電を送った。敗れた仏・バイエルン陣営は戦線の立て直しを迫られる見通しで、欧州の勢力図に大きな影響を及ぼすことは避けられない。
— RekisyNews 国際面 【1704年】