京で大規模な宗派衝突 法華宗寺院が焼き討ちに

 【山城・京 8月13日】

京の町で本日未明から、法華宗と他宗派の僧兵・武士団による大規模な衝突が発生し、市中各所で火災と混乱が広がった。衝突は午前中から激しさを増し、夕刻までに市内の主要な法華宗寺院の多くが焼き払われた。町人や旅人の避難が相次ぎ、洛中は緊張に包まれている。

発端は、近年京で勢力を拡大していた法華宗の布教と寺院造営に対し、延暦寺をはじめとする他宗派が反発を強めていたことにある。今月初めから両派の小競り合いが続き、ついに本日、諸寺・公家方の支援を受けた連合勢力が一斉に法華宗寺院を襲撃した。

攻撃は東西両洞院や六条界隈を中心に行われ、僧兵が寺門を破って堂内に火を放ち、僧や門徒は四散。煙が市街を覆い、町家にも延焼が及んだ。目撃した商人は「朝には鐘の音が騒がしく、やがて黒煙が天を覆った」と語る。市中では混乱に乗じた略奪も発生し、町奉行所は手勢を繰り出して鎮圧にあたったが、事態の収拾は夜までかかった。

法華宗側は、寺院焼失により多くの僧侶や信徒が行き場を失い、近郊や他国へ避難している。焼き討ちを主導した勢力は「京の秩序回復」を名目に掲げているが、実際には宗派間の政治的・経済的利害が背景にあるとみられる。

今回の衝突で京の宗教勢力地図は大きく変わる可能性があり、朝廷や幕府の調停が注目される。市民の間では「二度と町を戦火に巻き込むな」との声が高まっている。

— RekisyNews 社会面 【1536年】

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