【ノルマンディー前線 8月12日】
フランス・ノルマンディー地方南部のファレーズ周辺で本日、連合軍が大規模な包囲作戦を開始した。カナダ軍・ポーランド軍を含む北方部隊と、米第3軍を中心とする南方部隊が東西から進撃し、退却を試みるドイツ軍の退路を断つ構えだ。
今回の作戦は、先月のコブラ作戦による突破口拡大に続くもの。米軍はアルジャンタン方面から北上、カナダ軍はファレーズへ南下しており、両軍の連絡線がつながれば、約5万とも見積もられる独軍が包囲される恐れがある。現地では装甲師団や歩兵師団の一部が混乱状態にあり、補給物資の不足も深刻化している。
午前中、カナダ軍はヴィムートとサン=ランベール方面で抵抗線を突破。午後にはポーランド第1装甲師団が投入され、丘陵地帯の要衝を押さえた。一方、米第3軍は南側からモルト河を越え、機動力を活かした急進撃を展開している。連合軍の戦闘機群は低空で車両や砲列を攻撃し、退却路を塞ぐ橋梁も破壊した。
独軍側は包囲を避けるため反撃を試みており、装甲部隊が連合軍前線に繰り返し突入。市街地や農村では激しい砲撃戦が続き、民間人の避難が進められている。現地の農夫は「夜になっても空が赤く染まり、砲声が絶えない」と語った。
連合軍司令部は「迅速な包囲完成が戦局を一変させる」と強調。数日以内に包囲網が閉じれば、西部戦線におけるドイツ軍の組織的防衛は崩壊する可能性が高いとみられる。
— RekisyNews 国際面 【1944年】