十字軍、アスカロンでファーティマ軍を撃破 エルサレム防衛の脅威退ける

 【アスカロン 8月12日】

エルサレム奪還からわずか1か月、聖地を守る十字軍の主力は本日の早朝、パレスチナ沿岸の要衝アスカロン近郊でエジプトのファーティマ朝軍と激突し、これを撃破した。南方から迫る大軍を迎え撃つ決戦となり、防衛の成否を左右する戦いに勝利した格好だ。

総司令ゴドフロワ・ド・ブイヨン率いる遠征軍は、夜明け前にエルサレムを発し、戦象や重歩兵を擁する敵陣へ奇襲を仕掛けた。フランク騎士団の突撃は中央の敵歩兵を突破し、両翼ではボヘモンドやタンクレードが騎兵を率いて包囲を狭めた。激戦の末、宰相アル=アフダルは本陣の旗を残して撤退、ファーティマ軍は沿岸都市へ逃れた。

戦場には戦象や武具が散乱し、十字軍は大量の食糧・家畜を鹵獲。エルサレム市内では、この戦利品が到着すると鐘楼が一斉に鳴らされ、市民は城門で凱旋を迎えた。兵士の一人は「神が再び我らに勝利を授けた」と語り、戦勝の喜びと安堵をにじませた。

今回の勝利により、南からの大規模反撃の可能性は当面遠のいたが、指導者たちは補給と防備の継続を強調。ゴドフロワは「聖地の保全には一致団結と警戒が欠かせぬ」と述べ、各公国からの増援を呼びかけた。

— RekisyNews 国際面 【1099年】

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