モルドン沖でヴァイキングと会戦 エセックス総督ブリトノス戦死、防衛体制の立て直し急務

【モルドン(エセックス) 8月10日】
エセックス沿岸のブラックウォーター川河口で本日、北海から来襲したヴァイキング艦隊と在地軍が激突した。敵勢は干潮に合わせてノーシー島の野営地から土手道を渡り、本土側で隊形を整えて進出。これを迎え撃った州総督ブリトノスが前線で指揮を執ったが、激しい白兵戦の末に戦死し、イングランド側は退却を余儀なくされた。現地では村落の被害確認と避難誘導が続いている。

戦闘は、渡渉点の主導権をめぐる小競り合いから一気に拡大した。潮が引く短い時間帯に敵が前進し、両軍は岸辺の狭い地形で密集戦に移行。槍・楯の押し合いが続く中、指揮官を失った在地軍は隊列の維持が難しくなり、損害を抑えるため後方へ下がった。現地兵は「潮が戻る前に勝負がついた。敵の動きは素早くまとまっていた」と振り返る。

王都筋によれば、沿岸各州には非常警戒が発令され、増援の動員と補給路の確保が急がれている。被害の拡大を抑えるため、艦隊の移動先を監視しつつ、当面の収束策を協議する緊急評議会が招集された。和平金の支払いを含む複数案が検討されており、早期の決断が求められる。

今回の敗北で、テムズ河口から東部沿岸にかけての防衛線は再編が不可避となった。軍事担当者は「干満差と土手道という地形が戦況を左右した。渡渉点の固定防備と沿岸警備の常設化が鍵だ」と強調している。市中では市場の閉鎖や物資の買い占めが断続的に発生し、治安当局は沈静化を呼びかけた。

なお、今回の襲来を率いた指揮官については、オーラヴ・トリグヴァソンとする情報がある一方、スヴェン王(双髭王)ら別勢力関与の可能性もある。いずれにせよ、艦隊はイングランド東岸を転戦して戦利を挙げ、モルドンでの勝利で勢いを強めている。

— RekisyNews 国際面【991年】

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