【硫黄島 3月17日】
太平洋の孤島、硫黄島を巡る凄惨な地上戦が、最終段階を迎えた。米太平洋艦隊司令部は本日、米海兵隊が島北端の北岬(キタノハナ)に到達し、日本軍の組織的な抵抗をほぼ一掃したとして、同島の全島占領を宣言した。先月19日の上陸以来、およそ1ヶ月にわたり繰り広げられた死闘は、米軍の圧倒的な物量と、洞窟陣地に潜む日本軍の執念が激突する、かつてない激戦となった。
栗林忠道中将率いる日本軍守備隊は、当初から死守ではなく、地下に張り巡らされた複雑なトンネル網を駆使したゲリラ戦を展開。米軍に対して一歩も引かず、想定を大幅に上回る出血を強いた。米軍はこの小さな岩だらけの島を攻略するために、これまでの太平洋戦域での戦闘を上回る膨大な死傷者を出し、その戦いぶりは米国内にも衝撃を与えている。
しかし、水や食料、弾薬が尽き、外部からの補給を完全に遮断された日本軍は徐々に北へと追い詰められた。本日の北端到達により、島全域が米軍の支配下に置かれたことになる。米軍はすでに摺鉢山の星条旗の下、B29爆撃機の中継基地としての滑走路整備を急いでおり、これにより日本本土への直接攻撃は一段と激化することが確実視されている。
依然として地下陣地には数千名の日本軍残存兵力が潜んでいるとみられ、掃討戦による散発的な戦闘は今後も続く見込みだが、組織的な指揮系統は壊滅した。栗林中将ら幹部の消息は依然として不明であり、日本側は最後の一兵まで抗戦を続けるとの観測が強い。太平洋の要衝を失った事実は、帝都防衛の最前線が崩壊したことを意味しており、日本の敗色はより一層濃厚なものとなっている。
— RekisyNews 社会面 【1945年】
