独巡洋艦ドレスデン、自沈を選択 ── 英艦隊の包囲下、拿捕拒み自ら爆破

【カンバーランド湾 3月14日】

本日午前、チリ領ファン・フェルナンデス諸島に停泊していたドイツ海軍の軽巡洋艦ドレスデンが、自らの手で爆破・沈没した。イギリス艦隊に包囲され、絶体絶命の窮地に立たされた同艦は、敵軍による拿捕(奪取)を免れるため、栄光ある「自沈」という最期を選択した。

事態は本日早朝、イギリスの巡洋艦グラスゴーとケントが湾内に突入したことで急転した。中立海域であるにもかかわらずイギリス側は一方的に砲撃を開始。すでに弾薬と燃料を使い果たしていたドレスデンは、即座に戦闘継続は不可能と判断した。リューデッケ艦長は、軍使としてヴィルヘルム・カナリス中尉をイギリス艦へ派遣し、形式的な降伏交渉を行わせることで敵の注意を逸らし、その裏で密かに「自沈の準備」を完了させた。

午前10時45分、艦の放棄を確認した直後、ドレスデンの前部弾薬庫が計画通り爆破された。白旗が掲げられたままのドレスデンは、激しい爆発音とともに艦首から傾斜。イギリス兵が見守る中、中立の海へと自らその身を沈めた。

今回の「自沈」により、イギリス側はドイツの最新鋭巡洋艦を鹵獲(ろかく)して技術情報を得る機会を完全に失った。南米の海を3ヶ月にわたり逃げ延びた「孤独な狼」は、最後の瞬間まで敵の手にかかることを拒み、自らの手でその誇り高い歴史に幕を下ろした。

— RekisyNews 国際面 【1915年】

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