ディエンビエンフーで総攻撃開始 ── ベトミン軍の重砲、フランス軍要塞を急襲

【ハノイ/ディエンビエンフー 3月13日】

本日午後5時過ぎ、ベトナム北西部の盆地ディエンビエンフーにおいて、ヴォー・グエン・ザップ将軍率いるベトナム独立同盟(ベトミン)軍が、フランス軍の拠点に対する大規模な砲撃を開始した。これにより、インドシナ戦争の帰趨を左右すると見られる「ディエンビエンフーの戦い」の火蓋が切られた。

フランス軍のド・カストリ大佐は、航空補給を前提とした強力な陣地を構築し、ベトミン軍を誘い出して殲滅する「不沈空母」戦略をとっていた。しかし、本日開始された砲撃は、フランス側の予想を遥かに上回る圧倒的な火力であった。

ベトミン軍は、重砲や対空砲を分解してジャングルの険しい山道を手作業で運び込み、フランス軍を見下ろす高台に配置するという驚異的な執念を見せた。最初の一斉射撃は、北東部の重要拠点「ベアトリス」に集中し、守備にあたっていたフランス外人部隊の指揮所を直撃。要塞の防衛網は開戦直後から深刻な打撃を受けている。

フランス軍の砲兵指揮官は、敵の砲火を沈黙させることができず、自責の念に駆られているとの情報もある。一方、ベトミン軍の猛烈な人海戦術と火力の前に、フランス軍が誇る空挺部隊や戦車部隊も、四方の山から降り注ぐ砲弾を前にして苦戦を強いられている。

この戦いの結果は、植民地支配の継続を望むフランスと、独立を誓うベトナムの双方にとって退くことのできない「最終決戦」となるだろう。深い霧に包まれた盆地は、今や硝煙と爆音に満ち、東南アジアの勢力図を塗り替える激戦の舞台と化している。

— RekisyNews 国際面 【1954年】

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