尼港の日本軍、パルチザンに先制攻撃 ── シベリア出兵下で最悪の惨事、尼港事件勃発

【ニコライエフスク 3月11日】

シベリア出兵によりアムール川河口の港町・ニコライエフスク(尼港)に駐屯しているわが守備隊は、本日深夜、町を占拠中の過激派パルチザン部隊に対し、乾坤一擲の攻撃を開始した。先月以来、パルチザン側が突きつけていた不当な「武装解除」の要求を拒絶し、孤立無援の軍と居留民の自衛を図った決死の出撃である。

現在、ニコライエフスクは厚い氷に閉ざされ、外部からの増援や撤退が不可能な「氷の監獄」と化している。町を統制下に置くヤコフ・トリアピーツィン率いるパルチザン部隊は、数千人の兵力を背景に、わが軍に武器の引き渡しを強要。石川正二大隊長は「軍旗を汚すことはできぬ」としてこれに応じず、本日の奇襲に打って出た。

戦闘は市街地の各所で展開されており、日本軍は守備隊司令部や領事館を拠点に奮戦しているが、多勢に無勢の状況は極めて深刻だ。暗闇と吹雪が吹き荒れる中、銃声と爆音は絶え間なく響き渡り、居留民数百人の安否が強く懸念されている。

わが国がシベリア出兵を継続する中で発生したこの衝突は、革命下のロシアにおける無秩序と抗日感情の根深さを浮き彫りにした。救援部隊の到着まで、この絶望的な包囲網を突破できるのか。北辺の町から届くわずかな電信は、帝都・東京に深刻な衝撃を与えている。

— RekisyNews 軍事面 【1920年】

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