鉄の怪物が木造艦隊を蹂躙 ── ハンプトン・ローズに衝撃

【バージニア州ノーフォーク沖 3月8日】

本日、バージニア州のハンプトン・ローズにおいて、海軍の歴史を根底から覆す恐るべき戦闘が展開された。南軍が極秘裏に建造した装甲艦CSSバージニアが、北軍の封鎖艦隊に襲いかかったのだ。大砲の直撃をことごとく跳ね返す「鉄の怪物」を前に、北軍の誇る木造主力艦隊は成すすべなく壊滅的な被害を受けた。

正午過ぎ、エリザベス川から現れたその姿は、海に浮かぶ鉄の屋根のようであった。北軍の帆走フリゲート艦カンバーランド号が猛烈な砲撃を浴びせたが、砲弾はバージニア号の傾斜した鉄板に当たって火花を散らすだけで、無傷のまま接近。バージニア号は巨大な衝角(ラム)をカンバーランド号の側面に突き立て、一気にこれを沈没させた。

続いて攻撃を受けたコングレス号も、バージニア号の放つ加熱弾(ホットショット)によって炎上し、降伏を余儀なくされた。北軍の他の艦船も座礁するなど、ハンプトン・ローズの海面は阿鼻叫喚の地獄と化した。北軍の艦隊司令官たちは、自分たちの最新鋭の木造船が、これほどまで無力に破壊される様をただ呆然と見守るしかなかった。

「今日を境に、世界の全ての木造軍艦は過去のものとなった」。現場を見守ったある士官はそう呟いた。北軍はワシントンへの侵攻さえ危惧されるこの危機を打開するため、ニューヨークで極秘に建造中とされる新型艦モニター号の到着を急がせている。明日の夜明け、鉄と鉄がぶつかり合う未曾有の対決が、このハンプトン・ローズの海で実現するかもしれない。

— RekisyNews 軍事面 【1862年】

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