【グランソン 3月2日】
西ヨーロッパの覇権を狙う「大胆公」シャルル率いるブルゴーニュ公国軍と、スイス連邦軍が本日、ヌーシャテル湖畔のグランソンにおいて激突した。最新鋭の大砲と華麗な騎兵隊を誇るブルゴーニュ軍に対し、スイス軍は伝統の長槍(パイク)密集陣形で対抗。結果、ブルゴーニュ軍は総崩れとなり、公は莫大な財宝を遺棄して敗走するという、衝撃的な結末を迎えた。
戦端は、ブルゴーニュ軍が占拠していたグランソン城の救援にスイス軍が駆けつけたことで開かれた。シャルル公は、スイス軍を平地に誘い出し、自慢の強力な火砲と騎兵で一掃する策を講じた。しかし、後続のスイス本隊が山を越えて現れた際、角笛「ウーリの雄牛」が鳴り響くと、ブルゴーニュ軍内に「包囲された」というパニックが連鎖。統制を失った騎士たちは、次々と戦場を離脱した。
敗走したブルゴーニュ軍が残した陣営には、欧州随一の富を誇るシャルル公の「黄金の財宝」が手つかずで残されていた。銀の食器、宝石を散りばめた礼拝堂、そして公の象徴である巨大なダイヤモンドなど、その価値は国家予算に匹敵すると見られる。質素な生活を送るスイス兵たちは、金銀の価値を知らず、これらを単なる真鍮(しんちゅう)だと思い込み、安値で売り払っているとの報告も届いている。
今回のグランソンの戦いは、中世最強と謳われた重装騎兵が、規律ある歩兵密集陣形の前に敗北した歴史的事件である。シャルル公の威信は大きく失墜し、フランス王ルイ11世はこの知らせに狂喜しているという。ブルゴーニュ公国の崩壊、そして「最強のスイス歩兵」時代の到来を予感させる、血塗られた早春の一日となった。
— RekisyNews 戦況・欧州面 【1476年】
