【アドワ 3月1日】
東アフリカ・エチオピアの高地アドワにおいて本日、近代的な装備を誇るイタリア王国軍と、皇帝メネリク2世率いるエチオピア軍による「アドワの戦い」が決行された。激戦の結果、数に勝るエチオピア軍がイタリア軍を圧倒し、壊滅的な打撃を与えて勝利した。アフリカの国家がヨーロッパの列強を真正面から打ち破り、その独立を実力で守り抜くという、歴史的に極めて異例な事態となった。
イタリア軍のバラティエリ将軍は、夜襲による奇襲を企図していたが、険しい地形と不正確な地図により部隊が散り散りになる失態を演じた。そこをメネリク2世とその妻タイトゥ王妃が率いる10万人規模の精強なエチオピア軍が包囲。エチオピア軍は、フランスやロシアから調達した最新式の銃器や大砲を巧みに運用し、イタリア兵を次々と撃破した。
戦場には、侵略を阻止せんとするエチオピア各地の諸侯が宗派を超えて結束しており、そのナショナリズムの強さはイタリア側の予想を遥かに超えていた。敗走したイタリア軍は数千人の死傷者を出し、多くの兵士が捕虜となった模様だ。この知らせを受けたイタリア国内では、政府への非難が噴出しており、クリスピ内閣の総辞職は不可避の情勢である。
アフリカ分割が加速する中、白人国家を軍事的に粉砕したこの「アドワの衝撃」は、世界中の被抑圧民族に大きな希望を与えるだろう。エチオピアは、この勝利により主権国家としての地位を国際的に知らしめ、暗黒の植民地化時代において唯一無二の光を放つこととなった。
— RekisyNews 国際・戦況面 【1896年】
