「砂漠の剣」一閃、地上戦へ ── 多国籍軍、クウェート奪還へ大攻勢

【サウジアラビア国境付近 2月24日】

ペルシャ湾の夜明けとともに、歴史上最大規模の地上戦が幕を開けた。多国籍軍司令官ノーマン・シュワルツコフ大将は本日未明、イラク軍に占領されたクウェートの解放を目指す地上攻勢「砂漠の剣(デザート・ソード)作戦」の開始を命じた。1月中旬から続いた大規模な空爆により、イラク軍の防空網と通信網は壊滅状態にあると判断。米軍を中心とする連合軍の戦車部隊が、砂塵を巻き上げながらサウジアラビア国境を越え、イラク軍の防衛線へ一斉に突入した。

今回の地上戦の背景には、空爆のみでは完全な領土奪還は困難であるという軍事上の判断と、イラク軍の継戦能力を物理的に破砕せんとする戦略的意図がある。多国籍軍は、クウェート正面からの攻撃を見せかけつつ、主力を西方の砂漠地帯から大きく迂回させる「左フック(レフト・フック)」と呼ばれる包囲作戦を展開した。ハイテク兵器を備えたM1エイブラムス戦車やM2ブラッドレー歩兵戦闘車が、暗視装置を駆使して闇夜を切り裂き、イラク軍を背後から遮断する構えを見せている。これは、電撃戦の概念を現代に再現した、圧倒的な物量と情報優位による蹂躙である。

現場となったサウジアラビア北部の砂漠地帯は、数千台に及ぶ軍用車両の爆音と、地平線の彼方で閃く砲火の光に包まれている。冷たい朝の空気の中、前進を続ける兵士たちの表情は、長きにわたる待機を終えた緊張感と高揚感が入り混じっている。ある米軍将校は「砂漠は巨大な海だ。我々はその海を渡り、敵を網に追い込む」と、衛星通信端末を手にした最新の司令部で語った。一方で、空爆によって黒煙を上げる原油施設の臭気が風に乗り、ハイテク戦争の凄惨な現実を戦場に突きつけている。

この「砂漠の剣作戦」の電撃的な進展が、世界最強を自負したイラク共和国警備隊を瞬時に無力化し、中東における軍事バランスを盤石なものにするのではないかとの見方もある。また、この地上戦が短期間で結末を迎え、後の国際秩序にいかなる「超大国アメリカ」の影響力を刻み込むのか。砂漠の地平線を埋め尽くす戦車軍団の進撃が、平和の再構築に向けた一撃となるのか、その行方が鋭く注目される。

— RekisyNews 戦報 【1991年】

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