「プロの軍隊」への転換点 ── シュトイベン男爵、バレーフォージに到着

【バレーフォージ 2月23日】

アメリカ独立の命運を懸けた冬の陣に、強力な助っ人が現れた。プロイセン王フリードリヒ大王の元副官、フリードリヒ・ヴィルヘルム・フォン・シュトイベン男爵が本日、ペンシルベニア州のバレーフォージにある大陸軍宿営地に到着した。極寒と飢え、そして第二次世界大戦にも比肩しうるような物資不足に喘ぐ兵士たちを前に、男爵は直ちに軍の再建に着手。寄せ集めの志願兵集団を、英国正規軍に比肩する「戦える軍隊」へと鍛え上げるべく、欧州仕込みの厳格な教練を導入した。

今回の男爵招聘の背景には、独立戦争における大陸軍の絶望的な規律欠如がある。昨年末から続く冬営において、兵士たちは病気や飢え、さらには基本的な衛生概念の欠如により士気が低下。総司令官ジョージ・ワシントンは、軍全体の組織化と標準化を急務としていた。ベンジャミン・フランクリンの推薦を受けて海を渡ったシュトイベン男爵は、自ら泥まみれになって兵士の間に立ち、銃剣術や隊列移動、迅速な装填法を直伝。プロイセン式の合理主義を注入することで、軍の体質を根底から作り変える。

現場となったバレーフォージの宿営地は、雪に覆われ、粗末な小屋が並ぶ過酷な状況にある。到着した男爵は、その威厳ある軍服姿と裏腹な熱血指導で、言葉の壁を越えて兵士たちの心を掴んでいる。通訳を介しながら、時には激しい罵声を飛ばして「訓練用モデル中隊」を自ら教育する姿は、困窮を極めていた将兵に驚きと活気をもたらした。ある兵士は「これまではただの農夫だったが、今日、自分たちは初めて『兵士』になった」と、その厳しくも確かな手応えを語った。静まり返っていた森には、規則正しい号令と足音が響き渡り、反撃の春に向けた胎動が確実に始まっている。

このシュトイベン男爵による軍制改革が、軍全体の衛生状態の劇的な改善と致死率の低下に大きく寄与していくのではないかとの見方もある。また、彼が起草する教範「ブルーブック」が、将来のアメリカ合衆国陸軍の礎となり、いかなる強敵をも退ける組織力を盤石にするのか。欧州の智将がもたらした「規律」という武器が、独立への行方をいかに照らすのか鋭く注目される。

— RekisyNews 戦報 【1778年】

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