【サイゴン 1月30日】
本日未明、南部一帯で武装勢力による大規模な同時攻撃が始まった。南部解放を掲げる勢力が、サイゴン、フエをはじめとする主要都市や軍事拠点に一斉に進出し、旧正月(テト)の祝賀ムードは一転、緊迫した戦闘状態に包まれている。
首都サイゴンでは、官庁街や放送施設周辺で銃声と爆発音が相次ぎ、市街地の各所で衝突が確認された。市内中心部では一時、交通が完全に途絶え、住民は家屋内に避難する事態となった。フエでも城郭周辺を中心に激しい攻防が続き、歴史ある市街地が戦火にさらされている。
今回の攻撃は、旧正月の停戦慣行を突いた形で行われた点が特徴で、これまでに例のない広範かつ組織的な行動と受け止められている。軍関係者は「各地で同時に発生しており、事前に周到な準備がなされていた」と述べ、警戒を強めている。
市民生活への影響も深刻だ。市場は閉鎖され、病院には負傷者が次々と搬送されている。市内に暮らす住民の一人は「祝賀の爆竹が、いつの間にか本物の爆発に変わった」と不安を口にした。
当局は治安回復に全力を挙げる構えだが、各地の戦闘はなお続いており、情勢は予断を許さない。旧正月の静けさを破ったこの一斉行動が、今後の南部情勢にどのような影響を及ぼすのか、国内外の注目が集まっている。
— RekisyNews 国際面 【1968年】
