【ヴィリニュス 1月13日】
バルト三国の独立運動が続く中、リトアニア共和国の首都ヴィリニュスで深刻な流血事件が発生した。本日未明、ソビエト連邦軍部隊が市内の要衝に進入し、独立を支持する市民と衝突、多数の死傷者を出した。
事件は、国営テレビ塔や放送施設周辺で起きた。独立を求める市民らは、ソ連軍の進入を阻止しようと施設周辺に集結していたが、装甲車両や部隊がこれを排除する形で突入した。現地当局によれば、非武装の市民に対し実弾が使用され、少なくとも十数人が死亡、数百人が負傷したとされる。
リトアニアは前年3月、ソ連からの独立回復を宣言して以降、モスクワ政府との緊張状態が続いていた。今回の軍事介入は、ソ連側が中央の統制維持を狙ったものとみられるが、暴力的手段による制圧は国際社会からの強い反発を招く可能性が高い。
現地では事件を「血の日曜日」と呼び、犠牲者を悼む動きが広がっている。議会関係者は「この流血は、独立への意志を弱めるものではない」と声明を発表し、市民に冷静な行動を呼びかけた。
冷戦終結が目前に迫る中で起きた今回の事件は、ソビエト連邦の体制動揺と民族自決の流れを象徴する出来事として、今後の東欧・バルト情勢に重大な影響を与えるとみられている。
— RekisyNews 国際面 【1991年】
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