【パリ 3月12日】
本日、ユネスコの松浦晃一郎事務局長は、アフガニスタン中部のバーミヤーン渓谷にそびえ立っていた2体の巨大石仏が、イスラム主義勢力ターリバーンによって完全に破壊されたことを公式に確認したと発表した。1500年以上にわたりシルクロードの歴史を見守り続けてきた仏教美術の結晶は、無残にも岩塊の山と化した。
ターリバーンのオマル師は先月末、「イスラムの教義に反する偶像である」として、国内全ての像を破壊するよう命じていた。ユネスコや周辺のイスラム諸国、さらには国際世論が「文化遺産は人類共通の財産である」と猛烈に抗議し、特使を派遣するなど懸命の説得を試みたが、ターリバーン側はこれを「内政干渉」として一蹴した。
現地の報告によれば、石仏の破壊には対戦車砲やロケット弾が打ち込まれ、最終的には爆薬を仕掛けて爆破するという組織的かつ執拗な手法が取られた。かつて美しい衣の襞や彩色が施されていた大仏の背後には、今は巨大な空洞(龕)だけが虚しく残されている。
松浦事務局長は会見で、「これは単なるアフガニスタンの問題ではなく、全人類の文明に対する犯罪である」と強く非難。国際社会では、タリバンが意図的に孤立を深める姿勢を見せていることへの懸念が急速に高まっている。
かつて三蔵法師・玄奘も訪れ、その黄金の輝きを記したバーミヤーン。その遺産が政治的・宗教的極端主義の犠牲となった事実は、世界の文化遺産保護の歴史に消えない汚点を残すこととなった。
— RekisyNews 国際面 【2001年】
