ガンディー、沈黙を破り「塩の行進」へ ── 非暴力で挑む大英帝国の専売制

【アーマダバード 3月12日】

本日早朝、インド独立運動の指導者マハトマ・ガンディー氏は、アーマダバード近郊のサバルマティ・アーシュラムを出発した。イギリス植民地政府による不当な「塩税」に抗議するため、約380キロ離れたグジャラート海岸のダンディ村を目指す、いわゆる「塩の行進」の開始である。

ガンディー氏に従うのは、厳しい修行を積んだ78名の精鋭たちだ。彼らは武器を一切持たず、ただ手にした杖と不屈の意志を頼りに、自らの足でインドの大地を踏みしめていく。イギリス政府は、生活に欠かせない塩の採取と販売を独占し、貧しい民衆に重い税を課している。ガンディー氏はこの法を「最も非人間的なもの」と断じ、自らの手で塩を作ることで、非暴力の不服従(サティヤーグラハ)を実践する構えだ。

沿道には数千人の群衆が詰めかけ、白衣(カディ)をまとった行進団に歓声を送っている。ガンディー氏は出発に際し、「我々の目的は、この不正な支配の根幹を揺るがすことにある」と宣言した。

当局は今のところ静観しているが、この小さな集団が村々を通り過ぎるたびに、独立を求める民衆の火種は巨大な炎へと広がりつつある。一人の老人が始めたこの「散歩」が、大英帝国の統治をいかに揺るがすのか。世界中のメディアが、この熱き行進の行方に注視している。

— RekisyNews 国際面 【1930年】

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