【四川省・ムピン 3月11日】
中国四川省の峻険な山岳地帯で学術調査を続けているフランス人宣教師アルマン・ダヴィド氏が、本日、現地の民家において極めて特殊な配色を持つ動物の毛皮を発見した。頭部と胴体は白く、目の周りと耳、四肢が漆黒という、これまでの博物学の常識を覆す未知の獣である。
ダヴィド氏は、地元住民からこの動物が「白熊(パイション)」と呼ばれていることを聞き取った。氏は「この配色の美しさと特異性は、クマ科の新種であることを確信させる」と語り、すぐさまパリの国立自然史博物館へ向けて標本の送付準備を開始した。
これまで西洋の博物学界では、四川の奥地には未知の生物が数多く生息していると推測されてきたが、今回のような鮮明なコントラストを持つ大型哺乳類の存在は、まさに世紀の発掘と言える。ダヴィド氏は、毛皮だけでなく、さらなる調査を通じて生体や骨格標本の入手を目指すとしている。
この「白黒のクマ」が、単なる変種なのか、あるいは独自の進化を遂げた全く新しい種なのか。パリでの鑑定結果が待たれるところだが、霧深い四川の竹林には、まだ我々の知らない神秘が隠されているようだ。
— RekisyNews 科学面 【1869年】
