ファラデー氏、電磁誘導を発見 電気と磁気の関係に新たな道

【ロンドン 8月29日発】

英国王立研究所(Royal Institution)の実験室にて本日、科学者マイケル・ファラデー氏(39)が、磁石の働きによって電流が生じる現象を確認した。氏はこの原理を「電磁誘導」と呼び、電気と磁気を結びつける画期的な発見として、学界に大きな衝撃を与えている。

実験では、導線を巻いたコイルの近くに磁石を動かすと、ガルバノメーターが微細な電流の発生を示した。さらに別の実験では、鉄芯を使って2つのコイルを連結すると、一方に電流を流した際、もう一方のコイルでも電流が誘発されることが確認された。ファラデー氏は「磁場の変化が電気を生むことは確かだ」と語り、今後の応用可能性に強い期待を示した。

ロンドン科学協会の関係者によれば、この成果はハンス・エルステッド氏による電流と磁針の関係発見(1820年)以来、電磁気学の研究を大きく前進させるものと評価されている。特に「動きと力の関係を解明する手がかりになる」との見方が強く、産業界でも注目が高まっている。

研究所を訪れていた若い発明家の一人は「この現象を装置に応用できれば、電力を取り出す新しい仕組みが生まれるかもしれない」と興奮気味に語った。工場関係者からも「機械を電気で動かす未来が来るのではないか」との声が上がっている。

王立研究所は、近日中にファラデー氏による詳細な講演を予定しており、科学誌も特集記事の準備を進めている。

磁石が生む力を電気へと変えるこの小さな実験は、人類の産業と科学に新たな時代を告げる第一歩となるかもしれない。

— RekisyNews 科学・技術面 【1831年】

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