【東京 3月10日】
本日未明、帝都・東京は米軍爆撃機B29の大群による猛烈な焼夷弾攻撃を受け、下町地区を中心に壊滅的な打撃を被った。深川、城東、浅草、本所などの人口密集地は、降り注ぐ火の粉によって巨大な火炎地獄と化し、警視庁の暫定集計によれば、死者は10万人を超えるという空前の惨状を呈している。
米軍は今回、約300機のB29を低高度で侵入させ、木造家屋を効率的に焼き払うための新型焼夷弾「M69」を大量に投下した。強い季節風に煽られた火災は「火の嵐(ファイアストーム)」を巻き起こし、避難を試みた市民は逃げ場を失って炎に包まれた。隅田川の冷たい水に飛び込み、凍死あるいは溺死する者も後を絶たなかった。
夜が明けた東京の街には、真っ黒に焼けた死体が至る所に転がり、かつての面影はどこにもない。約27万戸の建物が焼失し、100万人近い人々が焼け出された。焦土となった市街地からは依然として煙が立ち上り、焦げ臭い風が吹き抜けている。
本土防衛の要であるはずの帝都がこれほどの被害を受けたことは、今後の戦局に決定的な衝撃を与えることは必至だ。国民は深い悲しみと憤りの中にありながらも、変わり果てた街で必死の救護活動を続けている。今日という日は、日本の戦史において最も暗く、最も凄惨な記憶として刻まれることになろう。
— RekisyNews 軍事面 【1945年】
