名古屋コーチン、国産実用鶏の第1号に認定 ── 尾張藩士の執念、ついに実る

【名古屋 3月10日】

本日、日本家禽協会は、愛知県で作出された地鶏「名古屋コーチン」を、国内初となる実用鶏種として公式に認定した。明治維新という時代の激流の中で、士族の誇りを懸けて改良を続けてきた努力が、ついに公的なお墨付きを得ることとなった。

名古屋コーチンの生みの親は、旧尾張藩士の海部壮平氏と、その弟・正秀氏である。禄を失った兄弟は、明治の初めから東春日井郡池林村(現在の小牧市)にて養鶏に着手。当時輸入が始まっていた中国産のバフコーチンと、在来の地鶏を掛け合わせ、肉が締まって美味であり、かつ卵もよく産むという、日本人の食文化に最適な鶏種の固定に成功した。

近年、欧米から多産な外国種が続々と流入し、在来の鶏が淘汰される危機にあった。その中で、国産の品種がその優れた実用性を認められた意義は極めて大きい。本日の認定を受け、名古屋周辺では「名古屋コーチン」のブランド化に向けた動きが加速するものと見られる。

「武士の商法」と揶揄されることもあった士族の授産事業だが、海部兄弟が遺したこの成果は、今や愛知の、そして日本の誇るべき食資源となった。桜色の卵と、噛むほどに旨味の増す肉。本日の認定は、日本の養鶏が新たな産業として自立するための歴史的一歩となるだろう。

— RekisyNews 産業面 【1905年】

アイキャッチ画像 かなぷー – 投稿者本人が撮影 使用カメラ:Canon IXY DIGITAL 500 トリミング加工済み, CC 表示 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=119679052による

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