【ニューヨーク 3月8日】
本日、ニューヨークの証券仲買人たちは、組織の憲章と厳格な取引規約を採択し、「ニューヨーク証券取引委員会」を正式に発足させた。1792年の「ボタンウッド協定」以来、街路樹の下やコーヒーハウスで行われてきた証券売買は、これによって公式な組織と屋根を持つ、近代的な金融取引へと脱皮することになる。
新組織は、ウォール街40番地の一室を月額200ドルで借り上げ、取引所としての活動を本格化させる。初代議長に選出されたアンソニー・ストックホルム氏は、本日午前10時30分、会員たちを前に最初の競り(セッション)を開始。政府公債や銀行株、保険会社の株式などが次々と読み上げられ、整然とした雰囲気の中で取引が成立していった。
これまでニューヨークの市場は、フィラデルフィアの証券取引所に遅れをとっているとの見方もあったが、今回の組織化により、投資家からの信頼性は飛躍的に向上すると見られている。会員制を敷くことで不正を排除し、透明性の高い価格形成を目指すこの取り組みは、急速に発展する米国経済の資金需要を支える要となるだろう。
ハドソン川を渡る交易の拠点から、資本が渦巻く金融の中心地へ。ニューヨーク証券取引所の誕生は、若き合衆国が世界の経済大国へと駆け上がるための、力強いファンファーレに他ならない。
— RekisyNews 経済面 【1817年】
