「カンムリ鷲」ついに力尽く ── 具志堅、12回TKOで王座陥落

【沖縄 3月8日】

日本ボクシング界の至宝、具志堅用高(協栄)の不敗神話がついに終焉を迎えた。本日、地元・沖縄の具志川市総合体育館で行われたWBA世界ライトフライ級タイトルマッチ15回戦において、王者・具志堅は挑戦者ペドロ・フローレス(メキシコ)に12回TKOで敗北14度目の防衛に失敗し、4年以上にわたって君臨した王座から陥落した。

超満員の観衆が「ヨーコー」コールを送り続ける中、試合は序盤から波乱の展開となった。前回判定まで持ち込まれた宿敵フローレスの執拗なボディ攻撃を浴び、具志堅のフットワークは精彩を欠いた。8回に最初のダウンを奪われると、その後も猛追を許し、12回、力尽きた王者がキャンバスに沈んだところでレフェリーが試合を止めた。

試合後、腫れ上がった顔で記者会見に臨んだ具志堅は、「今日でボクシングを辞めます。もう限界です」と静かに引退を表明した。13回連続防衛という、今後破られることが想像できないほどの偉大な記録を残し、沖縄が生んだ英雄は静かにグローブを置く決意を固めた。

日本中にボクシング熱を呼び起こし、テレビ視聴率40%超を連発した「具志堅時代」が幕を閉じた。地元・沖縄の空に最後に見せた「カンムリ鷲」の姿は、敗北の悔しさを超えた、一時代を築き上げた男の気高さに満ちていた。

— RekisyNews スポーツ面 【1981年】

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