【東京 3月6日】
本日、日本で初めてのスポーツ専門紙『日刊スポーツ』が創刊された。第二次世界大戦の終結からわずか半年余り。焦土と化した東京の街に、スポーツの力で希望の灯をともそうとする新たなメディアが産声を上げた。
記念すべき創刊号の1面を飾ったのは、「勝利の号砲」という力強い見出しだ。記事では、戦時中に「敵性競技」として弾圧されていた野球やボクシングなどのスポーツがいかに国民の娯楽として復活すべきかを説き、平和な社会におけるスポーツの価値を熱烈に訴えている。
発行元である日刊スポーツ新聞社(当初はオールスポーツ社)の編集室には、旧知のスポーツ記者や熱意ある若者たちが集い、紙不足という深刻な物資難の中で、B4判4ページという限られた紙面に情熱を注ぎ込んだ。創刊号にはプロ野球の再開に向けた展望や、大相撲の話題、さらには海外のスポーツ事情までが、当時の乏しい情報網を駆使して盛り込まれている。
これまで一般紙の片隅に追いやられていたスポーツというジャンルを、独立した「日刊紙」として成立させる試みは、世界的に見ても極めて野心的な挑戦だ。主筆を務める松岡誠三氏は、「スポーツには国境も思想もない。これこそが民主主義の礎である」と語り、娯楽に飢えた市民に心の潤いを提供することを誓っている。
配給制の食糧難やインフレに喘ぐ国民にとって、この「青空のような新聞」の登場は、戦後復興への確かな手応えを感じさせるものとなった。駅の売店や街頭でこの鮮やかな紙面を手にする人々の顔には、久しぶりの高揚感が浮かんでいる。
— RekisyNews 文化面 【1946年】
