「良家の淑女」空前の美の競演 ── 日本初の美人コンテスト、時事新報が開催

【東京 3月5日】

本日、福澤諭吉翁ゆかりの時事新報社は、米国のシカゴ・トリビューン紙が提唱する「世界美人コンクール」の日本予選として、日本初の本格的な美人コンテストの選考結果を紙上で発表した。全国から集まった数千通の応募の中から選ばれたのは、小倉市長・末弘直方氏の長女、末弘ヒロ子さん(16歳)である。

今回の催しは、従来の芸妓中心の「美人番付」とは一線を画し、一般家庭の「良家の淑女」を対象とした画期的な試みだ。応募方法は自薦・他薦を問わず、写真を郵送する形式で行われ、審査員には彫刻家の高村光雲氏や画家の岡田三郎助氏といった当代一流の文化人が名を連ねた。

審査基準は、単なる顔立ちの美しさだけでなく、品位や知性も重視されたという。末弘さんは、現在、学習院女学部(現在の学習院女子大学の前身)に在籍する現役の女学生。瑞々しい美貌と気品あふれる佇まいは、まさに「文明開化」を象徴するモダン・ビューティーとして、朝から新聞を買い求める人々を釘付けにしている。

しかし、この華やかなニュースの裏で、思わぬ波紋も広がっている。厳格な校風で知られる学習院側は、女学生が公衆の面前に写真を晒すことを「はしたない」と問題視し、末弘さんの退学処分を検討しているとの情報が入った。時代の最先端を行くメディアの企画が、旧来の道徳観と衝突する格好となっている。

時事新報社は、選出された上位入賞者の写真を米国へと送り、世界大会へと挑む構えだ。日本の美が世界でいかに評価されるのか、そしてこの騒動が女学生の地位にどのような影響を与えるのか。この春、日本中に吹き荒れる「美人コンクール」の旋風は、しばらく収まりそうにない。

— RekisyNews 文化面 【1908年】

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