【クランウェル 3月5日】
イギリス空軍(RAF)の歴史に新たな一頁が刻まれた。本日、グロスター・エアクラフト社が開発したイギリス初のジェット戦闘機「グロスター ミーティア」の試作機(DG206/G)が、リンカーンシャー州のクランウェル飛行場にて初飛行に成功した。
グロスター社のチーフテストパイロット、マイケル・ダント氏の操縦により、ミーティアは滑走路を力強く離陸。プロペラ機特有の爆音ではなく、高音の「キーン」という金属的な排気音を残し、約15分間の安定した飛行を披露した。着陸後、ダント氏は「これまでの航空機とは次元が違う加速性能だ」と、その革新的な動力に強い手応えを語った。
今回の初飛行を支えたのは、デ・ハビランド社が開発した「ハルフォード H.1」エンジンだ。本来搭載予定だったエンジンの開発遅延を補う形で採用されたこの「噴流(ジェット)」の推進力は、従来のレシプロ機の限界を打ち破る時速400マイル超の世界を現実のものにしようとしている。
現在、世界は第二次世界大戦の真っ只中にあり、欧州上空の制空権争いは激化の一途をたどっている。イギリスが総力を挙げて完成させたこの新鋭機は、プロペラの呪縛を解き放ち、大英帝国の空を守るための文字通り「切り札」となることが期待されている。
軍事機密の厚いベールに包まれた中での成功ではあるが、クランウェルの空を貫いたこの「流星(ミーティア)」の輝きは、連合軍の勝利へ向けた希望の光となった。
— RekisyNews 軍事面 【1943年】
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