【東京 3月5日】
日本初の本格的な旅客機客室乗務員、通称「エアガール」の公募を行っていた東京航空輸送社は本日、その合格者3名を発表した。応募総数は140名を超え、合格倍率は実に47倍という狭き門となった。
合格したのは、元タイピストや良家の子女ら、知性と教養を兼ね備えた若き女性たちだ。今回の採用条件は「18歳から25歳までの独身女性」「容姿端麗であること」に加え、長時間の飛行に耐えうる「強健な身体」と、乗客へのきめ細やかな「接客能力」が重視された。
東京航空輸送は、東京(羽田)─下田─清水を結ぶ定期航空路を運航しており、エアガールは機内での軽食配布や乗客の案内、さらには飛行中の不安を和らげる役割を担う。現在、航空機による移動は富裕層や官僚に限られた特別な手段であるが、女性乗務員の導入により、空の旅に「華やかさと安心」を添える狙いがある。
合格した女性たちは今後、航空法規や救急法、接客マナーなどの厳しい訓練を経て、4月1日の初搭乗を目指す。プロ野球や映画スターに並ぶ新たな「憧れの職業」として、彼女たちの羽ばたきに世間の注目が集まっている。
「空飛ぶ淑女」たちの誕生は、日本の航空産業が単なる輸送手段から、サービスを競う近代的な旅客ビジネスへと進化する象徴的な一歩となるだろう。
— RekisyNews 社会面 【1931年】
