「車社会」の旗印 ── シカゴでアメリカ自動車協会(AAA)設立

【シカゴ 3月4日】

本日、全米から9つの主要な自動車クラブの代表者がシカゴに集結し、アメリカ自動車協会(AAA)を設立した。急速に普及しつつある「馬なし馬車」こと自動車の所有者の権利を守り、劣悪な道路状況の改善を政府へ働きかける強力な組織が誕生した。

現在、アメリカの道路は馬車を基準に設計されており、未舗装の泥道や散乱する釘などが、自動車の走行を著しく妨げている。また、州や自治体ごとに異なる複雑な法規制も大きな障壁となっている。AAAは今後、全米共通の交通ルールの確立や、信頼できる道路地図の作成、そして舗装道路の整備を求めるロビー活動を本格化させる方針だ。

設立会議の席上、代表者の一人は「自動車はもはや富裕層の玩具ではなく、次世代の主要な輸送手段である」と強調した。AAAは、会員に対して故障時のサービスや旅行情報の提供も計画しており、これは個人の自由な移動を支える「モータリゼーション」の先駆けとなるだろう。

現在、米国内の自動車登録台数はわずか数万台に過ぎないが、この組織の誕生は、広大な北米大陸を一本の鉄路ではなく、無数のアスファルトの道で繋ぐ未来を予感させるものだ。シカゴから始まったこの一歩が、アメリカを世界一の自動車王国へと導く起点となるかもしれない。

— RekisyNews 社会面 【1902年】

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