創作の権利、法で守る ── 日本初「著作権法」本日公布

【東京 3月4日】

政府は本日、文芸、学術、美術などの著作物を保護するための「著作権法」を公布した。これは、1887年(明治20年)に制定された旧「版権法」を抜本的に改め、国際的な基準に合わせた本格的な権利保護の枠組みを日本で初めて構築するものだ。

今回の法整備の最大の背景は、日本がベルヌ条約(文学的及び美術的著作物の保護に関する国際条約)への加盟を間近に控えていることにある。これまでの版権法は主に「出版」という行為を対象としていたが、新法では「著作権」という概念を導入。小説や論文のみならず、脚本、楽曲、写真、彫刻など、多岐にわたる創作活動が法的な保護の対象となった。

注目の保護期間は、原則として「著作者の死後30年」と定められた。これにより、クリエイターの知的な財産権が世襲的にも守られることとなり、国内の文化振興に大きな寄与を果たすことが期待されている。また、条約への加盟により、今後は日本人の作品が海外で無断で複製されることを防げる一方で、外国人の著作権も日本国内で尊重されることとなる。

一部の翻訳業者や出版関係者からは、海外作品の翻訳権が制限されることへの懸念も上がっているが、政府は「一等国としての国際的地位を確立するためには、知的財産の保護は不可欠」との立場を崩していない。夏目漱石氏や森鴎外氏といった文豪たちの活躍が目覚ましい昨今、この法律の誕生は、日本の「文化大国」への第一歩を法的に支える記念碑となるだろう。

— RekisyNews 社会面 【1899年】

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