【ニューヨーク 8月28日発】
米国で本日、科学と技術を専門に扱う新しい週刊誌『サイエンティフィック・アメリカン』が創刊された。初号はニューヨーク市内および周辺都市で販売され、発明家や技術者、産業関係者を中心に早くも注目を集めている。
創刊号では、最新の蒸気機関技術、農業用機械、通信装置など、産業革命期のアメリカを象徴する発明品を多く取り上げたほか、特許制度や製造業の最新動向についても詳報している。編集部は「科学知識を広く共有し、進歩を促すことが本誌の使命」とし、一般市民にもわかりやすい解説を心がけたという。
ニューヨーク市内の書店では、朝から雑誌を手に取る人々の姿が見られた。印刷工場近くの広場では、若い技術者たちがページをめくりながら「これは我々の未来を開く雑誌になる」と声を上げていた。市内の発明家ジェイムズ・ホイットニー氏は「これほど多くの情報を一度に手にできるとは驚きだ。産業の発展に大きな影響を与えるだろう」と期待を寄せる。
近年、米国では蒸気船や鉄道の普及、電信網の拡大など、科学技術をめぐる関心が高まっている。各地で開かれる博覧会には発明家が集い、製品や技術を競い合う機会も増えてきた。こうした時代背景を受け、『サイエンティフィック・アメリカン』は産業界と一般市民をつなぐ架け橋となることを目指している。
編集部は今後、各地の発明報告や特許情報を継続的に掲載し、発明家同士の交流も促す方針だという。
科学の力で国を動かす時代が、いままさに始まろうとしている。
— RekisyNews 科学・産業面 【1845年】