「音の革命」世界へ ── コンパクトディスク、本日より全世界で一斉発売

【ニューヨーク・ロンドン 3月2日】

昨年10月より日本と欧州の一部で先行発売されていた次世代オーディオ、コンパクトディスク(CD)および対応プレーヤーが、本日よりついに米国を含む全世界で発売開始された。直径12センチの銀光りする円盤が、エジソン以来のレコード(LP)時代に終止符を打ち、デジタル・オーディオという新時代の幕を開けようとしている。

今回、ソニー、フィリップス、ポリグラムの連合軍が満を持して世界市場に投入したのは、レーザー光線で情報を読み取る全く新しいシステムだ。従来のレコードのように針を落とす必要がなく、スクラッチノイズや音飛びの悩みから解放される。さらに、何度再生しても劣化しない半永久的な寿命と、手のひらサイズの利便性は、音楽ファンのライフスタイルを根底から変える可能性を秘めている。

世界展開に合わせて、ポップス、ロック、クラシックなど数百タイトルのソフトが用意された。ビリー・ジョエル、アバ、カラヤン指揮のクラシック名盤などが店頭を飾り、デジタルならではの「原音に近い、限りなく透明な音」をアピールしている。プレーヤーの価格は依然として高価(米国では約600ドル〜1,000ドル)だが、技術革新による普及は時間の問題と見られている。

「音楽をデジタルで持ち運ぶ」というこの革命的な発明は、オーディオ業界だけでなく、半導体やコンピュータ産業にも多大な影響を与えるだろう。1983年3月2日は、人類がアナログからデジタルへと舵を切った、記録メディア史に残る記念日として刻まれることになる。

— RekisyNews 経済・技術面 【1983年】

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