「ストライク」は「正球」に ── 野球用語、敵性語追放で全面日本語化

【東京 3月2日】

日本野球連盟は本日、戦時下の国策に準じ、これまで使用してきた英語の野球用語を全面的に廃止し、日本語(和名)へと改称することを決定した。米英を敵国とする第二次世界大戦の激化に伴い、スポーツの現場からも「敵性語」を一掃し、日本精神を昂揚させる狙いがある。

今回の改称により、審判員の発声や場内アナウンスは劇的に変化する。代表的な変更点として、「ストライク」は「よし(正球)」、「ボール」は「だめ(悪球)」、「アウト」は「ひき(引)」、「セーフ」は「いき(活)」へと置き換わる。また、ポジション名も「ピッチャー」は「投手」、「キャッチャー」は「捕手」と、漢字表記が徹底されることとなった。

すでにユニフォームの胸文字から英字が消え、漢字やカタカナへの書き換えが進んでいたが、競技中の「言葉」そのものを禁じる今回の措置は、球界にとって最大の転換点となる。連盟側は「野球は今や『野球道』であり、皇国の士気を高める練武の場である」と強調。ファンや選手の間には戸惑いも見られるが、戦時下の厳しい社会情勢において、米英色を払拭することは避けられない大勢となっている。

この用語の日本語化は、プロ野球のみならず、学生野球や少年野球の現場にも即座に波及する見通しだ。バットを「棍棒」、ヒットを「安打」と呼び変え、泥まみれで白球を追う選手たちの姿は、まさに戦時下の日本を象徴する光景となりつつある。

— RekisyNews スポーツ・社会面 【1943年】

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