【サンフランシスコ 3月2日】
米陸軍西部防衛司令部のジョン・ドウィット中将は本日、カリフォルニア、オレゴン、ワシントンの各州、およびアリゾナ州の一部に居住するすべての日系人に対し、軍事上の必要性を理由に指定区域からの強制立ち退きを命ずる公告を発した。これにより、約11万人にのぼる日系人が、家財や住み慣れた家を捨て、軍が管理する「強制収容所」へと送られるという、米憲政史上かつてない人権侵害の事態が現実のものとなった。
今回の命令は、先月2月19日にルーズベルト大統領が署名した大統領行政命令9066号に基づいている。昨年12月の真珠湾攻撃以来、西海岸では「日系人が日本のスパイとして暗躍している」という根拠のないデマや人種的偏見が渦巻いており、軍部はこれに屈する形で、敵性外国人ではない米国市民権を持つ日系二世までもを含む全員の隔離を決定した。
対象となる日系人たちは、わずか数日の準備期間で身の回りの品だけを手にし、かつての競馬場や見本市会場を利用した「集合センター」へと集められている。そこから、内陸部の荒野や砂漠地帯に建設された、高電圧の鉄条網と監視塔に囲まれた収容所へと順次移送される計画だ。
「自分たちは忠誠を誓うアメリカ国民だ」と訴える二世たちの声は、戦時下の熱狂と恐怖の中でかき消されている。農場や商店などの資産を二束三文で手放さざるを得なかった人々の経済的損失は計り知れず、砂漠の過酷な環境下での生活が、彼らの心身にどのような深い傷を負わせるのか、その先行きは極めて不透明だ。
— RekisyNews 国際面 【1942年】
