第3次モスクワ裁判、開廷 ── ブハーリンら「右翼トロツキスト」21名、国家反逆罪に問わる

【モスクワ 3月2日】

ソビエト連邦の首都モスクワにおいて本日、かつての党最高幹部ニコライ・ブハーリン、元首相アレクセイ・ルイコフら、21名の被告を裁く「第3次モスクワ裁判」が開始された。スターリン政権下で進む「大粛清」の総仕上げとも言えるこの公開裁判において、被告たちはレーニン時代の功労者でありながら、一転して「反革命陰謀事件」の首謀者として断罪されている。

検事総長アンドレイ・ヴィシンスキーによる起訴状によれば、被告らは国外亡命中のレフ・トロツキーと結託。ソビエト政権の転覆、主要指導者の暗殺、さらにはナチス・ドイツや日本への領土割譲を画策したとされる「右翼トロツキスト陰謀ブロック」を組織した疑いが持たれている。

驚くべきことに、本日の公判において被告たちは、検察側の主張するこれら重罪の数々を次々と「自認」した。かつてレーニンから「党の寵児」と称えられたブハーリンでさえ、やつれた表情ながらも、自らの「罪」を認める陳述を行っている。しかし、物証は一切示されておらず、法廷の内外からは、激しい拷問や家族への脅迫による「強制された自白」ではないかとの疑念も囁かれている。

この裁判は、スターリンによる一党独裁体制の盤石化を目的とした「見せしめ(公開裁判)」の極致である。かつての同志たちが「人民の敵」として次々と葬られていく光景に、ソ連国内は極度の恐怖と緊張に包まれている。判決は極刑が予想されており、十月革命以来の古参幹部(オールド・ボリシェヴィキ)は、これでほぼ一掃される見通しだ。

— RekisyNews 国際面 【1938年】

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