【ブエノスアイレス 2月25日】
南北アメリカ大陸のスポーツの祭典、「第1回パンアメリカン競技大会」が本日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで華々しく幕を開けた。第二次世界大戦の影響による延期を乗り越え、ついに実現したこの大会には、北はカナダから南はチリまで21カ国、約2,500名の精鋭たちが集結。ナショナリズムの昂揚と、新大陸としての結束を象徴する「西半球最大のスポーツイベント」が、熱狂の渦の中で産声を上げた。
今回の大会開催の背景には、スポーツを通じた米州諸国の友好促進と、冷戦下における西半球の結束を誇示したいアルゼンチン政府の強い後押しがある。フアン・ペロン大統領は、この大会を自国の国力を世界に知らしめる絶好の舞台と位置づけ、巨大な競技場やインフラの整備を盤石に進めてきた。開会式では、ペロン大統領とエバ(エビータ)夫人が見守る中、各国の選手団が誇らしげに自国の国旗を掲げて行進。これは、スポーツが政治や民族を超え、「一つの大陸」としての誇りを共有する歴史的な瞬間となった。
現場となったブエノスアイレスのメインスタジアムは、10万人を超える大観衆の歓声に包まれ、地鳴りのような熱気に支配されている。聖火台に火が灯されると、平和の象徴である鳩が空へと放たれ、国歌演奏が響き渡った。ある米国の陸上選手は「これほどまでに情熱的な大会は初めてだ。我々はただ競い合うだけでなく、新しい友愛の歴史を刻みに来た」と、興奮気味に語った。街中には大会を祝う垂れ幕が溢れ、タンゴの調べとスポーツの熱狂がブエノスアイレスの夜を鮮やかに彩っている。
この第1回大会の成功が、米州諸国のスポーツ振興を盤石なものにし、オリンピックに次ぐ国際競技大会としての地位を確立していくのではないかとの見方もある。また、この大規模な交流が、後の各国の外交関係や文化交流にいかなる実りをもたらすのか。パンパの風を受け、競技場に翻る21カ国の旗が、新大陸のいかなる明るい未来を照らし出すのか。その輝かしい第一歩が、今まさに鋭く注目される。
— RekisyNews 体報 【1951年】
