「独立の夢」赤軍の進撃に潰える ── トビリシ陥落、グルジアソビエト化へ

【トビリシ 2月25日】

カフカスの峻険な山々に抱かれた自由の砦が、ついに力に屈した。ロシア・ソビエト社会主義共和国の赤軍(ボリシェヴィキ軍)が本日、グルジア民主共和国の首都トビリシを占領。わずか3年足らずで幕を閉じることとなった独立国家の政府は崩壊し、街には赤旗が翻っている。これにより、メンシェヴィキ(穏健派社会主義者)による民主的な議会制共和国としての歩みは止まり、ソビエト勢力によるカフカス全域の掌握が決定的となった。

今回の侵攻の背景には、昨年来、周辺諸国(アゼルバイジャン、アルメニア)を次々とソビエト化したボリシェヴィキによる、「地政学的なカフカス統一」の野望がある。当初、ソビエト・ロシアはグルジアの独立を承認する条約を結んでいたが、国内の共産主義者による蜂起を支援する形で軍事介入を断行。山岳地帯の隘路を突破した第11軍の圧倒的な物量の前に、孤立無援のグルジア軍は撤退を余儀なくされた。これは、ロシア帝国崩壊後に芽吹いた民族自決の理想が、革命の拡大という現実に飲み込まれた瞬間である。

現場となったトビリシの街頭では、銃声が止んだ後の重苦しい静寂の中、戦車や騎兵隊が整然と進軍を続けている。独立を守るために戦った市民や兵士たちの多くは、西部のバトゥミ方面へと逃れたが、市内では早くも「グルジア・ソビエト社会主義共和国」の成立を祝う急進派の叫びが響いている。あるトビリシの知識人は「我々は欧州の一部として民主主義を築こうとしたが、歴史の激流はそれを許さなかった」と、絶望の色を隠せない表情で語った。

このトビリシ陥落が、将来的なソビエト連邦への強制的な組み込みを盤石なものにし、カフカス諸民族の運命をモスクワの強権下に置くのではないかとの見方もある。また、この武力による併合が、国際社会におけるソビエトの地位や、後の民族問題にいかなる深い傷跡を残すのか。雪解けを待つカフカスの大地に刻まれたこの敗北の記憶が、いかなる「自由への渇望」として語り継がれていくのか、その歩みが鋭く注目される。

— RekisyNews 外報 【1921年】

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