クレシーの戦い、英軍が大勝 長弓の矢雨が騎士の突撃を止める

クレシーの戦い、英軍が大勝 長弓の矢雨が騎士の突撃を止める
【ノルマンディー北部・クレシー近郊 8月26日】

本日、エドワード3世率いる英軍がクレシー高地で仏王フィリップ6世の大軍を迎え撃ち、決定的勝利を収めた。英軍は丘陵の緩斜面に歩兵と長弓兵を層状に配置し、前面に溝と逆茂木を設けて待ち受けた。午後の驟雨で弦の扱いが難しくなる中、先導のジェノヴァ弩兵は混乱。そこへ英軍の号砲と長弓の一斉射がかかり、前列は瞬く間に崩れた。

後続の仏騎士は面目をかけて突進するも、ぬかるむ斜面と死傷者で乱れ、矢の連続斉射と歩兵の槍列に分断される。側面からの射撃が騎馬の首を狙い、落馬者が道を塞いだ。英軍は若き王太子(通称ブラック・プリンス)を中心に陣形を保持し、夜にかけて繰り返し来る突撃を粘り強く退けた。戦場では高位の将や諸侯の戦死が相次ぎ、仏王は護衛に守られて後退した。

今回の勝利で、英軍は北仏での作戦主導権を握る見通しだ。補給の集積地と港湾をにらむ英軍は、次段の包囲・開港を視野に進軍を継続する構え。一方の仏側は貴顕の損失と騎兵の疲弊が重く、軍の立て直しが急務となる。矢羽根が散る斜面は、重装の名誉よりも規律と兵站を重んずる新たな戦い方の台頭を無言で告げている。

— RekisyNews 国際・戦況面 【1346年】

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