【ウィニペグ 2月19日】
カナダ・マニトバ州ウィニペグで本日、独軍の侵攻と占領を想定した大規模演習「もしもの日(If Day)」が実施された。早朝、警報サイレンとともに停電が命じられ、市街では兵が交差点を押さえ、模擬の銃撃戦が展開された。制服姿の“占領軍”が官庁へ踏み込み、要人の一時拘束を演じる場面もあり、通りには緊張した空気が走った。
演習は、戦費調達の勝利公債(Victory Loan)を市民に実感させ、購買を促す狙いがあるという。主催団体は「もし本当に起きたら」を体感させることで、遠い戦地の出来事を自分事として受け止めてもらいたいとしている。市内では“占領下の通達”を模した掲示が貼られ、見物人が足を止めた。恐怖を煽るとの批判もある一方、参加した市民は「笑い事ではない」と顔をこわばらせた。
市役所周辺では、報道陣が行進や検問の様子を撮影し、商店主らは店先のシャッターを半分下ろして様子をうかがった。演習が進むにつれ、街角では「次はどこだ」と囁きが広がり、子どもを家へ急がせる親の姿も見られた。やがて“解放”の演出が告げられると、群衆は安堵の息を漏らしたという。
主催側は、本日の購買申込が目標達成に大きく寄与したと説明している。戦時の資金集めと市民心理を結びつける異例の催しは、賛否を伴いながらも、戦争が国内の日常に影を落としている現実を浮き彫りにした。
— RekisyNews 国際面 【1942年】
