【ワシントン 2月19日】
米国のフランクリン・ルーズベルト大統領は本日、戦時の安全確保を理由に、軍当局が指定する区域から「脅威」と見なした者を退去させ得るとする大統領令9066号に署名した。軍は沿岸部を中心に「軍事区域」を定め、必要に応じて立入りや居住を制限できるとされ、当局者は「防諜・防護のための措置」と説明している。
命令は文面上、特定の民族を名指ししてはいないが、太平洋岸ではすでに日系住民を含む住民の処遇をめぐる議論が強まっており、現場では「移動の準備を迫られるのでは」と不安が広がった。港湾や軍需施設の周辺では通行の取締りが厳しくなり、商店では買いだめの動きも見られるという。
政府内では、個々の住民の忠誠をどう判断するか、退去の範囲と手順をどう定めるかが焦点となる。人の移動が現実となれば、農園や商いの継続は難しくなり、家族の離散や生活基盤の喪失も懸念される。議会周辺では「戦時の必要」とする声がある一方、「権限が広すぎる」との警戒も出ている。
命令の運用は、軍の判断と今後出される細則に委ねられる。西海岸の町々では、貼り紙や通達が出るたび人々が足を止め、次に何が起きるかを互いに確かめ合っている。
— RekisyNews 国際面 【1942年】
