空飛ぶ郵便、世界初の快挙。アラハバードの空を飛行機が舞う

【アラハバード 2月18日】

本日、インド北部のアラハバードで開催されている万国博覧会の会場にて、人類史上初となる「飛行機による郵便輸送」が実施された。航空機という新たな発明品が、単なる見せ物ではなく、実用的な物流手段としてその第一歩を記した歴史的な一日となった。

この記念すべき飛行を成し遂げたのは、フランス人操縦士アンリ・ペケ氏である。ペケ氏は午後五時半、博覧会場内の特設離着陸場から、英国製ハマー複葉機を駆って離陸。機体には、この日のために用意された約6,500通もの手紙や絵葉書が積み込まれていた。エンジン音を響かせながら高度を上げた機体は、ガンジス川を越えて対岸のナイニへと向かい、約八キロメートルの距離をわずか十三分ほどで飛行。現地に設置された郵便局へ無事に郵便物を届けた。

今回運ばれた郵便物には、特別にデザインされた記念スタンプが押されており、中には英国王ジョージ五世へ宛てたメッセージも含まれているという。博覧会を訪れていた群衆は、銀翼の機体が夕闇迫る空へと消えていく様子を歓声とともに見送り、これまでにない速度で情報が伝達される時代の到来を確信した。

これまでの飛脚や鉄道、船舶による輸送に比べ、空路は地形の制約を受けず、驚異的な時間短縮の可能性を秘めている。ペケ氏は着陸後、「風の状態は安定しており、飛行は極めて順調だった。この成功が将来の航空郵便網の礎となることを願っている」と誇らしげに語った。

航空機の黎明期において、インドの地で示されたこの成果は、世界各国の郵便当局からも高い関心を集めている。翼によって大陸が結ばれ、手紙が海を越えて数日で届く——そんな夢のような未来が、今まさにアラハバードの空から始まろうとしている。

— RekisyNews 社会面 【1911年】

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