【ニューヨーク 2月17日】
ニューヨーク・レキシントン街の第69連隊兵器庫で本日、絵画彫刻の大規模展「国際現代美術展」(通称アーモリーショー)が開幕した。会期は3月15日までを予定。主催は米国画家・彫刻家協会で、会長アーサー・B・デイヴィスらが中心となり、欧州各地で台頭する新しい表現と米国作家の作品を同じ場に並べ、鑑賞の尺度そのものを揺さぶろうという試みだ。出品は千点余に及ぶとされ、兵器庫の広い空間に木組みの仮設壁が迷路のように組まれた。作品番号の札を手に歩く紳士淑女、学生、記者が朝から途切れない。
目を引くのは、輪郭を砕き色面で構成する絵、遠近を崩して動きを刻む絵など、従来の写実に慣れた客には難解な品が多い点である。階段を降りる人体の動きを連ねた一枚を前に、記者が首をかしげ、見物人が身を乗り出す場面もあった。別の角では「工場の爆発のようだ」と笑う声が起きる一方、「時代の息遣いを絵に移した」と擁護する議論も熱を帯びた。
主催者側は「美術は追随ではなく先導である」とし、展示を通じて新しい眼を育てたい意向だという。会期後は他都市への巡回も計画されていると伝えられ、論争を伴いながら観客を増やす可能性もある。開幕初日から賛否が割れたことで、展覧会は単なる催しを超え、新聞紙上でも論争の火種となりそうだ。米国の芸術が自らの言葉を得る契機となるのか、今後の反応が注目される。
— RekisyNews 文化面 【1913年】
