「死のう団」メンバー5名、都内各地で同時割腹

【東京 2月17日】

本日正午すぎから午後にかけ、東京中心部の宮城前広場(皇居外苑)、国会議事堂前、警視庁玄関付近など複数地点で、羽織袴姿の青年らが「死のう」と記したビラを撒き、相次いで割腹を図る騒ぎが起きた。警視庁によれば、関係者はいずれも日蓮会の青年組織「日蓮会殉教衆青年党」(通称・死のう団)に属する計5人とみられ、現場で制止・拘束され病院へ搬送された。命に別状はない見込みという。 

宮城前では、観光客や通勤者の往来が続く中、男が突然群衆の前に躍り出て紙片を散らし、周囲が立ちすくむ間に自らを傷つけた。国会議事堂前では、警備線の外に停まった車から降りた男が絶叫しつつ走り、鉄柵を越えようとして警官らが駆け寄った。官庁街では見物人が増え、車馬の流れが滞る場面もあり、憲兵が退去を促すなど緊迫した空気が漂った。 

同党は数年前にも街頭で「死のう」と唱えて検挙された経緯があるとされ、当局は再発防止のため組織の実態を洗い直す方針だ。本日の一連の行動は言葉や主張を越えて生命を賭す形となり、都心の秩序を揺さぶった。警視庁は背後関係と動機の解明を急ぎ、連絡役や支援者の有無も含め取り調べを進める。市民の間には驚きと不安が広がり、過激な思想の拡がりを警戒する声も出ている。 

日比谷界隈の病院には記者が詰め、搬送の経過を確かめようとする者で廊下が混み合った。現場近くの商店は戸を半ば閉め、客足が一時遠のいたという。関係官庁は不確かな風聞を戒め、冷静な対応を呼びかけている。

— RekisyNews 社会面 【1937年】

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