孫文・宋教仁ら、国民党を結成 議会政治へ向け全国組織

 【北京 8月25日】

本日、市内で各地の政社・同盟が合流し、「国民党」の結成大会が開かれた。壇上で結成宣言が読み上げられると、出席者は拍手で応じ、各省代表は党旗に誓いを立てた。辛亥ののち分散していた勢力を束ね、公開の合法政党として議会に臨む体制を整えるのが狙いである。

綱領は、共和政治の確立、憲法制度の完備、民権の保障と地方自治、教育普及と実業振興を柱に掲げる。民族・民権・民生の「三民主義」を旗印とし、選挙を通じて議席を獲得し、議会中心の政治運営を実現する方針だ。地方では支部設置と党籍簿の整備、演説会と機関紙の発行で支持基盤の拡大を図る。

人事では、孫文氏が党の指導者として推戴され、宋教仁氏が組織と選挙戦略を統括する実務責任を担う。宣伝・財政・組織の各部局が設けられ、候補者の選定基準や資金調達の規程も示された。年内に予定される国会議員選挙では、都市部と交通要衝に重点を置き、候補者の一本化で票の分散を防ぐという。

当局は会場周辺の警備を強めつつも、現時点では静観の構え。旧勢力の一部には警戒感が残るが、市民からは「公開の論戦で政を進めよ」との期待が聞かれる。亡命の結社から公開政党へ——新党は、選挙と議会を梃子に共和国のかたちを定着させられるか。政治の主導権をめぐる新たな局面が始まった。

— RekisyNews 国際・政治面 【1912年】

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