【東京 2月15日】
文部省は本日、重要無形文化財指定制度に基づく第一次指定を告示し、あわせて当該技術保持者を正式に認定した。これにより、わが国で初めていわゆる「人間国宝」が誕生したことになる。
同制度は、能楽や歌舞伎、文楽といった古典芸能のほか、陶芸、染織、金工などの伝統工芸の高度な技術を保護し、次代へ継承することを目的として設けられたもの。今回の指定では、各分野を代表する名匠らが保持者として名を連ね、その卓越した技が国家的財産として認められた。
文部省関係者は、「形のない文化こそ守らねばならない国の宝である」と述べ、今後も指定と保護の拡充を図る方針を示した。保持者には助成措置が講じられ、後継者の育成や技術の公開にも取り組むことが期待されている。
戦後の混乱期を経て、日本の伝統文化の価値が改めて見直される中での今回の決定は、文化復興の象徴ともいえる。長い歳月をかけて磨かれた匠の技が、国家の名のもとに未来へ受け継がれていくこととなった。
— RekisyNews 文化面 【1955年】
