坂下門外に刃光る —— 公武合体の要人・安藤信正襲撃される

【江戸 2月13日】

本日午前、江戸城坂下門外において、老中安藤信正が水戸浪士らに襲撃され負傷する事件が発生した。安藤は、皇女和宮の将軍徳川家茂への降嫁を実現させ、公武合体を推し進めてきた中心人物である。

安藤が登城の途上にあったところ、尊王攘夷を掲げる水戸浪士六名が突如斬りかかった。供回りの者らが応戦し、襲撃した浪士はその場でいずれも斬殺されたという。安藤は刀傷を負いながらも命に別状はないと伝えられている。

近年、幕府が朝廷との協調を図る公武合体策を強める一方、攘夷を急進的に唱える志士らの動きは活発化しており、江戸市中にも不穏な空気が漂っていた。今回の凶行は、そうした緊張の高まりがついに城門前で噴出した形となった。

坂下門周辺は一時騒然となり、警備の強化が急がれている。幕府中枢を狙った大胆な襲撃は、政局に大きな波紋を広げることは必至であり、今後の情勢は一層不透明さを増しそうだ。

公武合体をめぐる対立は、単なる政策論争を超え、武力衝突の様相を帯び始めている。江戸城下で流れた血は、幕末の動乱がさらに深まる兆しを告げている。

— RekisyNews 国内面 【1862年】

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