【モスクワ 2月12日】
ソビエト連邦当局は本日、作家アレクサンドル・ソルジェニーツィン氏を国家反逆の容疑で逮捕した。当局筋によれば、氏は反国家的活動を行い、国外勢力に協力したとされている。身柄は首都モスクワで拘束され、厳重な警備のもとで取り調べが行われているという。
ソルジェニーツィン氏は、戦時下の強制収容所体験をもとにした作品で国際的な評価を受け、数年前にノーベル文学賞の受賞が決定したことで広く知られる存在である。一方で、その著作は社会の暗部を描いたものとして、国内では発表や流通が制限され、当局との緊張関係が続いてきた。
関係者によると、今回の逮捕は、氏が執筆した原稿や書簡が国外に持ち出されたことが問題視されたことに端を発しているとされる。当局は、文学活動の範囲を超え、国家の安全を損なう行為があったと主張しているが、具体的な証拠については明らかにしていない。
市内ではこの報に驚きと緊張が広がっている。文化人の一部からは、作家の思想や表現を理由に刑事措置が取られることへの懸念も聞かれるが、公の場で意見を表明する動きは見られない。海外では、文学界や知識人の間で動向を注視する声が高まっている。
当局は、処分について「法と国家の秩序に基づくもの」と説明しており、今後の扱いが注目される。
— RekisyNews 社会面 【1974年】
